新テストの「強烈な嵐」が中3生以下を直撃する。

最近、大学入試センターから改革の「概要」が発表されました。

 

6月下旬に、一部分が修正されて、最終的なものが公表されるはずです。

 

この流れの中で「今年の11月には5万人規模」の、「来年の12月には50万規模」のプレテストが組まれて、いよいよ「新テスト」の実施です。

 

だから現在の中3生から、受験システムの「変更の嵐」が吹きわたります。

強烈な嵐です。

 

受験科目も、内容も、時間も、評価も変更です。

当然、指導法も変更しなくてはなりません。・・・が・・・心配です。

 

どんなことでしょうか?

 

保護者目線で「変化のポイント」を整理します。

質問がある方は、LEADESTの前川教室長経由で問い合わせてください。

 

LEADESTは、「嵐に備える準備」を進めていると聞いています。

学校だけでは対応できないから、塾が対応するのです。

 

最大の変化をする「英語」

一番大きく変化を受ける教科は「英語」です。

 

大学入学試験の科目から英語が外れます。

 

その代わり、民間テスト(英検・TOEIC・GTECなど)のスコアが入ります。

このテストは、現在の中3生が、高3になった時から使われます。

 

受験機会は4~12月に2回。当然、高いスコアを取った生徒が有利になりますね。

競争が激しくなるでしょう。

 

民間試験ですから「有料」の試験です。

そのための対策・模試など「練習」もたくさん積んだ生徒が有利になりますから、経済力が「学力格差」を生み出しますね。

いくつかの民間テストを調整しても、平等なスコアが出るか否かが問題ですが、こちらは専門機関に任せるしかありません。

受験生にはどうしようもないことですからね。

 

22~23年度は調整期間になっていますが、6月には決まるでしょう。

24年度、つまり現在の中1の生徒からは「完全実施」です。

 

ここで問題なのは、学校の授業時間に制限がある公立学校では、なかなか対応が難しいし、学校の授業が「スコア対策」に流されてしまう危険性があることです。

英語教育の根本が変わるということです。

 

「書く」「聞く」「話す」「読む」の4つの技能からなるテストですから、国際基準規格(CEFR・セファール)に基づいて、「段階別」に評価され、試験結果は大学に通知されます。例えば「この受験生が持っているスコアは段階値3ですよ」という具合です。

 

もちろん、受験生は「スコアを見て志望校を決める」ことになるでしょう。

スコアが低ければ志望校に合格できませんからね。

 

現在行われている「検定」試験は、海外でも通用するグローバルの仕組みになっているものが多いですが、大学入試に使うテストは「学習指導要領」にそっていることが条件です。

どの会社のテストが適切かの「認定」は、文科省がします。

「文科省が認定したテスト」だけが入試に使われますから、受験生は、認定されたテストのスコアにこだわることになりますね。

当然「検定」の内容が現状から変更されるでしょう。

これ以上は不明です。

 

「国語」で起こる大きな変化 ~テストが100分になる!?~

次の大きな変化は「国語」です。

 

現在のテストは80分ですが、これに20分が加わり、テスト全体が100分になるでしょう。

 

現在、多くの大学が「センター方式」を採用していますが、これからは「現代文のみ」という受験は許されなくなりますね。

「古文」「漢文」も採点内になりますから、変更点を理解していなければ不利になります。

 

こうした情報に疎く「対応できない高校」「生徒任せの学校」が必ず出現しますから、高校受験に当たり「どの学校に進学するか」が問題になりますね。

 

追加された20分は「記述式」問題に充てられるハズの時間です。

だから、最近発表された2つのモデル問題例も「3問」に設定されています。

80~120字で、3~5段階で評価する。

つまり、これまでの「センター試験の採点」に、「段階値評価がプラスされる」のです。

モデル問題は、私が別のメッセージに書いた「フィージビリティ調査の問題」といっしょです。

 

モデル問題例を見ると「一石二鳥の意味」とか「駐車場の契約書」とか、いままでは考えられなかったテーマと設問が用意されて、「文字数」が指定されいますから、過不足なく記述できる技術が要求されます。ここに、新しい指導・技術が要求されています。

 

文科省は、「先生たちの意識改革と指導技術の変革を要求」していますが、さてさて、どこまでできるでしょうか。

できないと、生徒が困りますね。

 

具体的な「記述式の練習」などが期待されるでしょう。

やり切れるかな?

 

マーク方式だけではなくなる「数学」の変化

「数学」にも記述式が加わります。

 

試験時間を10分程度延長して70分になりますね。

 

この中に、「記述式」の問題を組み入れて、設問は3問。

 

つまり、「これまでの試験問題」に加えて「新しい出題がされる」のです。

モデル問題例を見ると、数学もこれまでの授業とは異なる発想と指導の工夫が要求されます。

 

実生活につながる数学問題をイメージしていますから「数学は苦手だ」なんていっていられないでしょう。

 

推薦でも試験は必須になる

またAO推薦・推薦入試で進学を考えている生徒も「大学入学共通テスト」を受験することになります。

 

ここが新しい注目点の1つです。

これからは「推薦書だけで合格」ということはなくなるということです。

学力不足では大学に進学できないということです。

 

それに加えて「調査書」の書き方も変更されます。

合・否の判定に調査書が使われる比重が高くなるという点も注目点です。

志望理由書も重要になります。

 

また、私立大学の受験スケジュールも大きく影響を受けると予測されます。

 

特に「センター方式」で進学するシステムは大きな影響を受けるでしょう。

 

現状は、2月1日から、実質1か月の受験ですが、この日程、試験バッティング日などにかかわるので、出願大学の選択にも変化が生まれるでしょう。

 

こうした情報に弱い学校・塾は不利になりますね。

 

首都圏の先導的な、私立中高一貫校は、すでに対応に入っています。

だから、LEADESTは最先端の情報の下で、素早い対応を進めているのです。

 

最後に

さて、国内・国外の政治・経済の流れが慌ただしくなっていますね。

 

海外ではトランプ大統領・北朝鮮・・・、国内では、2020年に向けて憲法改正問題も、東京オリンピックも、いろいろな法案も・・・。

 

大学入試改革も「その流れ」の中で進められていることを理解しておきたいと思います。

まさに大きな「歴史の分岐点」です。

 

私たちは、多くのことを理解しながら、生き続けなければなりません。

 

特に、大人たちは「次代を担う若者たち」のために、知恵と経験を生きたものにしなければなりません。

 

受験に伴う変化は、その中の一端であることも、前向きにとらえて不足部分を補いながら逞しく先に進みましょう。