受験生にもいろいろなタイプがある。
長い間、大学受験に関わっていると、受験生に共通するものが見えてくる。
顔かたちは全く違うのに、受験に対する姿勢が似ているからだ。
そんな事例を積み重ねて、6つのパターンに分類してみよう。
自分自身は、受験生としてどんなパターンに入るのか?
勿論、2つ3つにまたがるのが普通だから、あまり神経質にならなくていい。
が、受験指導をする人は、「指導上の留意点」として・・・
Type:1 実力重視型
大学で学ぶ内容にこだわる。
自分がやりたいこと・志望をしっかり持っていて、それを実現するには、どこの大学・学部・専攻が良いかを考える。
東大・京大などのようなブランドに拘らず、自由に研究・勉強できる環境を求めて、海外の大学でもよいと思っている。個性的で学力にも自信があるタイプの生徒。
家庭の理解もあり、自分の能力を伸ばすことを第一義にしている。
<Advice-助言>
こんなあなたには、志望を高く持って努力するのがベストだ。中途半端に妥協しないこと。
やりたいことがどの大学・学部ならできるかを考えよう。
早い段階で志望校を決めて、努力を積み重ねるといい。
しかし、1校に絞らない方が視野が広がっていいもの。
特に医学部志望者は研究医になりたいのか、臨床医になりたいのか曖昧を避ける。
研究分野が広がっているので、先輩などの意見をしっかり聞くこと。
ライバルたちの学力も自分と同じくらいだ。どこで差をつけるか。
難問・奇問に振り回されないこと。満点を狙わなくても合格できるハズ。
Type:2 寄らば大樹型
とにかくある程度の名前・ブランドがある大学に合格したいと思っている。
学生生活も就職も安定している大学が「良いことの基準」になる。
入試や将来の就職を厳しいものととらえ、弱気になりやすい。学力に自信がない。
自分がやりたいことが明確に意識されていないので、学習姿勢が受け身になりやすい。
多少甘えるタイプで、部活や生徒会活動など学校行事には消極的であった。
自立より「大樹に寄りかかりたい心理」が強い。
<Advice-助言>
必要以上に、実力テストや模擬試験の「判定」に拘らないこと。
成績を気にするのなら、むしろ、「テストの見直し」を軽視するクセをなおそう。
他人の目を気にしないで、自分の適性・個性を生かすことを考えた方がいい。
何事もチャレンジ精神を燃やし、「教えてもらいたがるクセ」より、「自力でのし上がっていく」姿勢を確立しよう。演習時間をしっかりキープしたい。
Type:3 ブランド志向型
とにかく「有名ブランドの大学に進学」したい。
大学名さえよければ、どの学部でもかまわない。
大学で学ぶ内容や学部・専攻もこだわらない。
すべては「合格してから考える」ことにしている。
中には、超有名大学に固執している人もいる。
ある程度学力があるが、合格できる自信までに至らない。
保護者の学歴や子どもへの要求水準が高い場合が多い。人生で「ブランド価値」を最大に活かしていこうと考えている。保護者や学校・塾など環境の影響が強い。
<Advice-助言>
ブランドにこだわることは悪いことではない。
学歴社会は非難されながらも、今後も普遍的な価値であり続けるだろう。志望校に徹底的にこだわることだ。
その大学の傾向を分析して積極的に勉強することだ。特に私立大学は特色ある入試・出題をしている。平均的な学習では通じない。
ただし、大学に入ってから「こんなはずじゃなかった」といわないように内容をチェックしよう。これからの時代は、ブランドの評価も変わる。柔軟さが欲しい。医学部・医学科へのこだわりも、この類に入る。
専門的な知識と勉強が必要である。学部・専攻の特徴をつかみ、同一大学の過去問に精通しよう。
Type:4 健全・安全型
まじめに勉強して、将来は安定した職業につきたいと思っている。
ホドホドの学力があり、自信を持っている。できるだけ高いレベルの大学に進学したい。
できれば難関でも国公立大に進学し、保護者に経済的な負担をかけないようにしたいと思っている。
きわだった個性もみられないが、与えられたことをまじめにこなす堅実なタイプである。
<Advice-助言>
コツコツやるが、頭はかたい。これは欠点でもあるが長所でもある。
受験は頭のキレだけで競うものではない。粘りや積み重ねが、勝負になる場合が多い。
その結果、超難関大に合格した生徒も多い。天才は少ない。
大きく見れば、頭の質もたいした差でない。自分の特徴を欠点にせず、積極的に長所にしてしまう知恵が大切だ。
手堅く得点を積み重ねること。どの大学も70%できれば合格できる。
自分が解答できるものを着実にこなすように努力しよう。
飛躍した問題に幻惑されないこと。この教科・この分野ならば絶対に高得点をとる自信がある・・・そんな「武器」をつくろう。
自分の型を持っている受験生は強い。
平均的な実力より、切り札となる武器を持っている方が、断然強い。
納得できるまで粘ること。中途半端が一番いけない。。
Type:5 わがまま型
大学・学部の選択で強い意志はない。
真面目に勉強したいと思わない。
努力は嫌いであるが、有名な大学にラクに入学したいと願っている。超一流大学でなかったら、「ランキングが上位」ならば、どこの大学に進学しても同じだと思っている。
大学で学ぶ内容よりも大学生活を楽しむことに関心を持っている。
部活や生徒会活動には消極的、ボランティア活動に関心がない。学力にも自信がない。
遊び友達を大切にして、楽しく受験を乗り越えたいと考えている。
<Advice-助言>
努力は嫌い。ミエを張るタイプ。どちらかというと文系に多い。
ガリ勉型を悪くいう傾向が強いが、内心は焦っている。
模擬試験の結果などを非常に気にしているが、平静をよそっている。表面は平然と見せているが、上級生になるとそんなポーズは通用しないことが分かっている。
人生は甘いものではない。謙虚に努力することを避けて通ることはできない。
そこで、「正直に出直すことができるか否か」が分岐点になる。いい訳・わがままの克服しよう。
受験生には、受験生に要求されるライフスタイルがある。
現実の自分を直視し、早くポーズから脱すること。
未消化の分野を確認し、要領よく高得点を取ろうなんて考えることはやめること。
わからないところは率直に教えてもらうこと。
一般入試の学力は、将来必要になる。努力しよう。
Type:6 ひねくれ型
学力に自信がない。自慢できる特技もない。プライドは高いのだけれど、志望する大学に合格できないと思っている。コツコツと努力することは嫌い。
「カンを頼りにする勉強」から抜けだせず、学習する習慣が身についていない。
勉強の面白さも恐さもわかっていない。やる気になればいつでも成績は向上すると思っている。
受験にこだわっていることを隠して、受験を批判する。
<Advice-助言>
ブランド志向の変形ともいえる。甘えのポーズが抜けないまま受験に突入してしまった。
わがままで自分勝手は止めた方がいい。斜に構えて、ポーズに酔っていることを卒業すること。
学力が不足している点は謙虚に見直して自己弁護から脱しよう。
一夜漬けやカンでは高得点は取れない。長時間、机に向かって勉強するライフスタイルを確実に身につけること。
志望校レベルに達するまでには、何時間、どのように勉強すればよいか。
テーマを定めて勉強すること。手を動かすこと。書くことを重視して、自分の手でチェックする。。
コメントをお書きください