豪雨災害・サッカーW杯・テニスウインブルドン・耐える力

突然に襲って来た西日本豪雨。まだ、片付けさえ進まない地域が多い。

 

何もかも失ってしまった被災者の方々へ、なんと言葉をかけたらよいのか。

私は、岡山にいたから、総社・倉敷・九州各地に、友人・知人が沢山いる。

学校関係では、「進路変更を余儀なくされた高校生」のことが気にかかる。

 

受験直近の高3生には「どのような救済手当て」ができるのか?

 

友人の岡山県立林野高校長は「被災者の生徒にICTを用いた授業を模索している」と連絡をくれた。

災害から「立ち上がらなければならない」・・・。

 

サッカーW杯 印象に残ったクロアチア

サッカーW杯がフランスの優勝で終わった。

決勝に残ったクロアチアの戦い方は凄まじかった。

選手全員が、母国の戦火体験を背負って「純粋にボールを追っていた」。

何度リードされても諦めない。

鍛えられた高度のテクニックを駆使して粘る。

「戦火の馬」である。

この気迫・執念・強い思いは、スポーツを超えて胸を打つ。美しかった。

 

バルカン半島にあるクロアチアは、人口420万人しかない小国である。

キャップテン・モドリッチは内戦のテントで育った難民だったという。

 

この国は、私が学生のころはユーゴスラビアといった。

「7つの国境、6つ共和国、5つの民族、4つの言語、3つの宗教、2つの文字」そして、1つの国家であった。

この国の民族紛争は、今だに根本的な解決がつかず、スイスチームの選手に中に、「政治的な行動」をしたということで罰しられる人がいたほどだった。

 

彼らの出身は紛争地コソボだった。セルビアチームも、また、日本の監督だったハリルホジッチ氏もオシム氏も、元ユーゴスラビアの代表選手だった。またピクシーの愛称で日本で人気が高いストイコビッチ氏も戦火の下で苦労した一人である。

混乱の中で「鍛えられた力」といってしまえば簡単であるが「甘さが許されない状況」の下で養われたものは、平時に育った選手とは異なるものがある。

戦中・戦後の混乱を体験してきた私には、そのように見える。選手の背筋にあるものが異なる。

「内戦」と「災害」を同じにしてはならないが、私は「立ち上がる力」に期待している。

 

ウィンブルドンの美しい闘い

イギリス・伝統のテニス「ウインブルドン」の優勝者は、ノバク・ジョコビッチ選手である。彼はセルビアの選手である。

 

彼は、長い間苦しみながら、ようやくこの大会で「復活」した。

元世界王者の再起も甘くなかった。苦闘苦難の末、勝・敗がハッキリする戦いの中で優勝したのだ。

 

その全ての力は、準決勝のスペインのナダル選手との試合に集約されていた。まさに横綱同士の5時間以上の戦闘。互いに、相手を尊敬し、愛情と敬意を払いながら、断固として譲らない。最後の最後で、足を滑らせたナダル選手が敗れたけれど、これほどの試合ができて満足だったろう。

 

この戦いはテニスプレーのレベルを超えていた。

 

「鋼鉄はいかに鍛えられたか」・・・災害を受けた人たちにいうのは忍び難いが、サッカーの試合・テニスの死闘を観ながら、私は「生きる力」を学んだ。

 

<美しい>

 

受験に置き換えてみよう

これらを受験に置き換えてみよう

 

①今年の出題のテーマは「国際紛争」と「平和」だろう。

アメリカと中国の国際的覇権争い・・・米朝の経済紛争が深刻になって、新興国を始め他国に影響している。

例えば、高校生にとって「関税」ということが、日常生活で実感することが少なかったが、貿易「金融政策」と共にキーワードになるだろう。

 

②旧ユーゴスラビアで分裂した国家が、方向性を発見できないままでいる。

第1次世界大戦の勃発も、この地域の「サラエボ事件」からだった。

受験対策としては、バルカン半島の地図を確認し、どこでどんな問題が未解決なまま放置されているかも調べておきたい。世界史・地歴・公民・英語・国語のテーマである。

 

③センター試験の世界史では「テーマ:半島」が予想される。

火薬庫である「バルカン半島」・いま問題の「朝鮮半島」・そしてソチ五輪の「クリミア半島」をまとめて大問とする。それぞれの歴史・課題を小問3つ程度で出題すればよいからである。

 

④羽生選手が、震災の体験をフィギアスケートのレベルアップの「パワーに昇華」させたように、災害を糧に押して「より強くなっていく」ことが、この際大切ではないかと思う。

「立ち上がる力」を応援メッセージにしたい。受験対策も同じである。

 

⑤平原綾香さんの「ジュピター」の歌詞にあるが、「一人じゃない」という強さは、受験でも言える。

「自分のことだけにこだわった受験生」は、支えてくれるパワーを得ることができない。

モドリッチ選手は、自分だけのために戦ったのではない。彼は、スーパースターになろうとしたより、チームの貢献するプレーに徹していた。

 

⑥出題者を尊敬して問題を解く。受験者に敬意を払って作問する。

本質的なところに生まれる「誇り」こそ、入試・受験の最後のあるべき姿である。

ジョコビッチ選手とナダル選手の試合は、お互いを信頼し、テニスを愛し、そして譲らない一流プレーヤーとしての「権威」を伝えてくれた。

 

誇りをもって受験に立ち向かっていこう!