2020年からの「共通テスト」の原型になる<試行テスト(プレテスト)>が
11月10日(土)・11日(日)に行われました。
来年は行われないので、このテストが「最終モデル」です。
だから、このモデルを通して、いろいろな観点から考えてみましょう。
関心のポイントは、現在の入試センターテストと比較して、今後の学習の「留意点」はどこか。
「出題形式」は変わるのか。
「記述式」はどうなるのか。
「問題の量と質」のレベルはどうか、などです。
そこで「変化と留意点」を5点に絞って整理してみましょう。
劇的な変化を遂げたプレテスト
その前に、まずビックリしたことは、テストされる内容が「ものすごく変わっていた」ことです。
「あまり変化はない」と発信している人がいますが、どうしてどうして、これでは、「普通の学校の授業」ではとても対応できません。
今後、多少の修正・変更があるでしょうが、基本がこのままであると考えると、「これまでの授業形態」「授業のやり方」「限られた授業時間」では、とても対応できないのです。
「僕は私立大に進学するから影響を受けない」と錯覚してはいけません。
早稲田大・政経学部のように、すでに入試問題・出題形式を変更する大学があらわれてきました。
このように、全国の私立大学が「変化にどのように対応するか」頭を抱えています。
今後ですが、受験日も再確認した方がいいですね。
この変化・落差をみると、可愛そうだけど「高2生は浪人できません」ね。
正式に「共通テスト」が始まるのは、2020年ですが、浪人したら、異なる「2つの出題内容・形式」を学習しなければならないからです。
できるだけ「現役合格」を目指すのが賢いと思います。受験競争が激化すると予測します。
①基礎知識の習得
さて、1点目は、これまでと同様にしっかり「基礎知識を習得しなければいけないということ」です。
この点は、これからも変わりませんね。
知識の習得なくして、勉強を進めることができないです。
例えば、英語の単語を知らなくて「簡単にしゃべれるようになるはずがありません」ね。
このように、語彙力をつける、計算力をつけるなど、知識・技術・教養の重要さはますます高まるでしょう。
沢山本を読むこと、硬派の雑誌に触れることです。
「提示された文章や資料などをしっかり読み解き、情報を組み合わせて考える」
この入試改革のテーマは、これからの中心になりますから、日頃から「図」「表」「長文」「絵図」「グラフ」「地図」などに慣れる努力が必要で̪す。
②知識を活用する能力
2点目は、それに加えて「知識を活用する能力」がテストされるということです。
ここが一つの大きな「変化」のポイントです。
学習指導要領が改訂される前段階の試験ですが、「教科書も変わっていない」し、先生たちの「意識も指導法もまちまちな状態」なのに、一挙に「知識の活用力」を問われる問題が出されるのです。
戸惑うだけですね。
通常の授業・教科書の範囲を超えたところから「問いかけ」が行われるのです。
事前に練習・訓練しておかなければ不利になるだけです。
③日常生活に当てはめる力
3点目は、「日常生活に当てはめて考える力」がテストされるということです。
すべての教科が、この観点からつくられています。
ポイントは、「日頃の生活の課題」とつなげて出題されているところです、ボサーツとしていては対応できません。例えば、英語では「料理のレシピ」が質問されています。
家庭でお手伝いしていない人はイメージが湧かないでしょうね。
これまでの学校教育の指導方法では無理なことです。
授業だけでなく、日常生活の中で、体験すること、実験すること、観察することを大切にして行く必要があります。
④多様な問題への対応力
4点目は、「正解が複数ある問題」や「前問と連動する問題」・「解なしの選択肢を解答させる問題」などがあることです。
これは、「問題文の量が多い」ことと合わせて、受験者を苦しめますね。
英語などは、50分の授業時間内で、とてもやり切れる内容ではありません。
「学校の指導方法」が問われますから、学校現場の先生たちは苦労すると思います。
また、これまでは、「平均得点率が60%」で設定されていましたが、今回は「50%」になります。
分かり易く言えば「センター試験より難しくなる」ということです。
⑤リスニングの教科は必須
5点目は、英語ではリーディングとリスニングの配点が各100点になったので、いま以上に「リスニングの学習を強化」する必要があるということです。
これは、英語の先生たちにとって大変なことで、多くの高校だけでは対応できないと予想します。
指導者の問題だけでなく、学校内の「施設の整備」も問題になります。
塾に通って、個人的にフォローできる場合は良いのですが、しばらくの期間の混乱は避けられないでしょう。
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