ハレの日は、晴れ着を着て、身を清めて、ご馳走を食べる

受験生は、合格を勝ち取って、ハレ舞台に乗りましょう。

非受験生は、定期テストで高得点を取って、晴がましい気分を味わいましょう。

 

ハレの日は「尾頭付き鯛」を食べるのです。大相撲の優勝力士のようにです。

入学式や卒業式はハレの日です。

結婚式に、オシャレするのは「ハレの日」だからです。

七五三は「ハレの日」だから、華やかに着飾り、家族でお宮参りに行く。

 

成人式で派手な衣装に身をくるんで、騒いでいる若い人は、日本の伝統文化を意識していないでしょうが、バッチリはまっているのです。

 

意識してもしなくても、私達は、先祖から受け継いだ生活文化の中にいます。

 

この機会に、日本固有の生活文化について考えてみましょう。

 

「ケ」の日を積み重ね、「ハレ」の日に輝け!!

ハレの日とは、「普段と違う改まった特別の日」のことです。

そう言われると、“なあんだ“と思う人もいるでしょう。

しかし、ハレの日は、晴着を着て、ご馳走を食べて祝い合うのが、古くからの日本の習慣です。

 

これに対して、普段の日のことを「ケ」といいます。日常生活ですね。

日常活動で、元気がない人のことを「ケガレル」といいますが、これは、民俗「ケが枯れる」という解釈があります。

近頃は、毎日がハレの日のようになってしまい、ハレとケの区別がつかないようになってしまいましたね。

日本の社会が、工業化・情報化になり、農耕社会でなくなったから、農事暦を基本とした「年中行事」や「節供」の位置づけが曖昧になったからですね。

 

農耕社会では<ケの日=普通の日>のあいだに<ハレの日=特別の日>が挟まっていて、それが人々の生活に一種のリズムを与えていたのです。

ハレの日は、神様に供物をささげる節供や祭りなどをする日であり、仕事を休んで静かに過ごす日だったのです。

最近は、大騒ぎをする日になってしまいましたけど。

 

今年の、大がかりなハレの日の行事は、11月の「大嘗祭」ですね。

本来、日本の天皇陛下は、稲作農民の神様の権化とされてきましたから、「宮中祭祀」のベースは農耕にあります。

 

知っていましたか?

 

5月20日(月)に、新しい天皇が田植えをしましたね。

収穫した米を供物として,11月の祭祀(新嘗祭)に用いるのです。

だから、新しい天皇の即位に関する行事のなかに「米」が、重要な役割があるのです。

天皇が即位後初めて行う新嘗(にいなめ)祭のことを、今年は特に「大嘗祭」といいますが、11月に行われますね。

これは「日本国家のハレの日」だということです。

この頃は、「村のハレの行事=村祭り」が全国で行われますね。

 

先日のNHK杯の体操を見ていると、優勝した谷川翔選手の初々しい泣き顏は美しく華やかでした。

「これだけ練習したのだから」とインタビューに答えていましたが、「ケ」の練習の厳しさを乗り越えて、「ハレ」で応える姿は美しかったですね。

 

若い選手には「ケの日があって、ハレの日が輝く」のです。