バウムテストをやってみよう!

いろいろな生徒に接していると、生徒の気質や性格が気になってくる。

 

「あの生徒のホンネはどこにあるのだろうか」

「どうも母親の影響が強すぎるようだけれど・・・」

「普段はおとなしい生徒だけれど、時々破壊的な言動にはしる。その原因は・・・?」

 

人間の深層心理を理解することは難しい。

しかし、少しだけでも心理学の知識と技術を持っていると、見えてくるものがある。

 

エミール・ユッカー(Emil,Jucker)の樹木画(バウムテスト)は、心理テストの診断の代表的なものである。

もちろん、臨床心理テストには、ロールシャッハテスト・TATなどいろいろあるので、それぞれ興味深いものである。 が、この中で、バウムテストは、私たちの生徒理解に役立つものであり、日常経験的な観察しているものを裏づけるものとして有効なので、「教養のひとつ」として紹介することにする。

 

バウムテストの方法とは?

バウムテストのやり方(作業・方法)を説明しよう。

 

作業① 

最初に、白い画用紙を与えて、3分間、イメージして1本の「実のなる樹木」を描かせる

 

作業② 

何分で書きあげたか。どこから書き始めたか。消しゴムはどこで使ったかを観察する

 

作業③

描く態度をみる。描きながらの感情の動きをチェックすることに留意すること

 

作業④

描いた絵の感想を聴く。さらに、どんなことを考えたかの意見を聴くこと

 

*出来上がったら、まず、その木が紙の上でどのように位置づけられているか、

*木の状態は?枝や葉、実はどう表現されているか順番に見ていく。

 

先日、ある学習会で紹介したところ、30秒でサラサラと描いて「これでいいですか?」という人がいた。(笑)

このような人もいるが、「3分間、イメージしてから描く」のがポイントである。

 

早いか遅いかも,心理テストの1つだともいえるが、指導者は、バウムテストの主旨をしっかり理解した上で、作業を進めることに留意したい。

 

作業を進めていくと、実に多様なバウム(樹木)が描かれていくことが分かる。

 

例えば、画用紙をいっぱいに使って描く人もいれば、右端に小さく描く人もいる。

左に偏った樹木を描く人もいれば、リンゴのような実を沢山描く人、周囲に花や草を描く人、折れた枝や、冬枯れした樹木を描く人もいる。

大地に根っこを沢山描く人もいるし、小鳥が飛んだり、太陽がニコニコするものまで描かれる・・・3分間は自由な発想を引き出して、被験者の心の動きを映し出していくのである。

 

この描かれたバウム(樹木)を心理的に分析するのが、このテストの目的である。

専門家は、描く態度や感情の動きをチェックし、再度感想や意見を聞いて分析を進めるのであるが、単純に「描かれたバウムをみるだけ」で、日常生活の観察結果と繋がる点が多いのが興味深い。

 

学習会では、楽しく紹介しあって笑ったのであるが、バウムテストの効用を理解する程度ならこれでいい。

 

それ以上の深さは専門家の手にゆだねるべきである。

 

では、分析の参考として、「グルンウォルドの空間図式の理論」を紹介しよう。

<出典>  バウム・テスト     日本文化科学社版

A 左側の上にバウムを描いた人は「母性・女性性・受動性・過去」が強く現実逃避の志向が強い

 

B 右側の上に描いた人は「父性・男性性・能動性・未来」志向の人で、支配願望強いとみる

 

C 左側下の人は、幼児期のトラウマが強く、固着するタイプで、退行・遅滞の傾向が強い

 

D右側下の人は、本能や葛藤が見られる人で、自己愛が強い性向にある また、幹の線描写と先端の閉じ方・枝の線描写と先端の閉じ方・葉・実・花・線の交わり方」などに注意することが重要である。分析コメントの例としては、次のようなものが典型である。  

 

 

コメントの事例を書いておこう。

*もっと、細かな分析コメントもあるが、機会があったら紹介しよう。

a 幹がまっすぐ・・・ちょっとお堅いタイプ             

e 幹が右曲が・・・ NOと言えないお人よし

b 幹が左曲が・・・引きこもり願望あり              

f 幹に模様(樹皮)がある・・・周りの視線が気になる

C 枝が広がっている・・・注意力散漫                 

g 枝が尖っている:・・・批判的。攻撃的。

d 枝がぐにゃぐにゃしている・・・ こだわり屋。マニアックな性格である。

 

<参考>   バウム・テスト  日本文化科学社版より、一部抜粋